四苦八苦という言葉、ご存知ですよね。人は必ず生老病死という四つの苦を抱えて生きて行かなければなりません。生まれる苦しみ、老いる苦しみ、病いとなる苦しみ、そして死を迎えるという苦しみ。但しここで言う「苦」とは、肉体の苦痛のみを指すのではなく、「自分のチカラではどうにもならない」という「苦」をも意味します。
さらに加えて、もう四つの苦があります。愛別離苦(あいべつりく、愛する人との別離があるという苦)、求不得苦(ぐふとっく、求めるものが手に入らない苦)、怨憎会苦(おんぞうえく、嫌な人と会わなければならない苦)、五蘊盛苦(ごうんじょうく、自分が生きているだけで次から次へと湧き上がってくる苦。そもそも人はそんな性質を元から持って生まれてくる)。これら四つの苦を「生老病死」の四苦と足して計、八苦となります。
つまり、私たちはこれらの八苦に苦しみながら生きているんですよね。しかも悪いことに、どうにもならない苦です。これを多くの人達が「どうして私ばかり…」と悩み、苦しみ、迷っているんですね。
それを誰かに話したくても、「恥ずかしい」、「お前が悪い!と叱られる」、「どうせ解決にはならない」って決めつけていませんか?

お寺は決してそんな場所ではありません。仏さまと僧侶に思うことをぶっちゃけていいんです。僧侶はお話を聞かせて頂き「苦とはなんぞや」を話してくれます。皆…誰でも…その僧侶だって苦しみ、悩み、迷っているのです。同じ立場で話を聞いてもらえるだけでも少しは気が楽になります。
さらにお寺には様々な人達が出入りしますから、物理的な問題解決の為に適任な人たちを紹介してもらえるかもしれません。

そして、仏さまに手を合わせるということは、仏さまにも自分の悩みを聞いてもらって救いを求めることです。仏さまはしっかりと聞いてくださいます。そんな時、仏さまのお顔を拝見してみて下さい。きちんと対話していることがわかります。だからこそ「一人ではない」「決して孤独ではない」という事がわかると思います。
つまりは、「苦」を感じるのも、消化するのも自分自身なのですが、その後押しやお導き、希望を得られるのはお寺そのものであり、私達はそのお手伝いをさせて頂いているのです。
 
生きる者は死を怖れます。誰だって死にたくはないでしょう。でもこれだけは、どうあがいても避けられません。「自分にとっての明日は、決して当たり前には来ない」というのが、仏教の諸行無常の教えです。
でも、自分がこの世と縁が尽きた時、自分が極楽に行くか、地獄に行くのか?を怖れるよりも、むしろこの世とのあらゆるもの…人であったり、物であったり、地位であったり…そういうものとの別れを怖れている、というのが心の奥底にあるのではないでしょうか?

でも慌てたり怖れたりする必要はありません。私たちはこの世と縁が尽きた時、お浄土という場所に生まれます。そこで仏さまの仲間入りをします。
そこには、先立たれた懐かしい方々もたくさんおられます。つまり、お浄土は再会の場でもあります。だから、もし自分が先立ったとしても、残された方達はやがてすぐにお浄土に来られます。これを「倶会一処(くえいっしょ)」と言います。

それがわかれば、怖れることはないですね。寂しさも減ると思います。今たとえ辛くとも、諦めないで日々精一杯生き、勤めていれば必ず活路は見えてきます。
それでも、頑張れない時、くじけそうな時、やってられなくなる時…人はそんな瞬間がたくさんあります。そんな時こそ、お寺に行けばいいんです。思いの丈をぶっちゃければいいんです。僧侶はただ黙って聞いているだけかもしれません。でも、聞いてもらうだけで、「私一人で苦しんできた」というのは無くなります。その辛さは共有されます。重さは半分になるんです。

道に立っておられるお地蔵さんは皆、目を閉じていますが、なぜだかご存知ですか?
それは、「うん、うん、そうだね。辛かったね。苦しかったね。それでも頑張ってきたもんね…」とお話を聞いて下さっているお顔だからです。遥か昔から、人は誰かに話を聞いてもらうことを絶対的に必要としてきたのです。そうして苦しみを自ら消化して、強く明るく生き抜いていくのです。
つまり、まずもってお寺は心の拠り所であるべきなんです。そしてコミュニティーの場でもあり、情報発信基地でもあり、学校でもあり、人生道場でもある…
たくさんの人達が集い、たくさんの人達が元気になり、たくさんの人達の心の支えとなる。
私はそんなお寺として、この善教寺を再建する決意です。

そして同時に、私はたくさんの僧侶…皆様のお手伝いができる、お話を聞かせて頂ける僧侶を育てていきたいと思います。この世界に入り、僧侶とは世に欠かせない重要な役割を担った者であり、またその場しのぎでない生老病死の根本の解決や希望をお渡しできる、とても尊い責務を背負っているからです。
今私にとって、僧侶とはただの職業ではありません。生き方そのものなのです。

どうか皆様、そのために温かいご寄附を宜しくお願い致します。そして再建された暁には、ぜひ善教寺にお気軽に遊びに来て下さい。宗教の種類や宗派なんてこだわりません。お寺は僧侶のものではなく、広く開かれた、皆様のものなのです。様々なカタチで有効利用して頂ければ本望です。

また、これらを機縁として仏教に触れ、仏法に歓びを感じる方達が少しでも増え、心豊かな社会の実現へと繋がって行くことを願いつつ、私からのご挨拶とさせて頂きます。
最後までご覧頂きまして、ありがとうございました。
合掌。

浄土真宗本願寺派
菩提山 善教寺 第十四世住職
西守 騎世将(釋 一心)
西守 騎世将プロフィール

西守 騎世将(にしもり きよまさ)
・浄土真宗本願寺派 菩提山 善教寺 第十四世 住職
・宗教法人 善教寺 代表役員
・ハートランドインフォメーション株式会社 代表取締役
・一般社団法人 災害支援機構 代表理事
・【航空会社】セコ・インターナショナル 安全対策室長、主任飛行教官

■1964年(昭和39年)、愛知県生まれ。

■21歳まで大工として家業の建築業を手伝い、24歳の平成元年独立。不動産業を柱に現在の
ハートランドインフォメーション株式会社を設立。

■1996年、同社航空事業部としてパイロット養成校を設立し、卒業生は飛行機ヘリコプター併せて
700名を超える。

■2005年、オーストラリアのメルボルンから愛知県の名古屋市まで、小型の単発エンジンヘリコプターで
12,000キロを飛行した世界記録を持つ。

■2011年3月、東日本大震災に於いて、民間ヘリコプターで初めて災害支援活動を実施。


■2012年10月、東日本大震災の教訓から、全ての民間災害支援のプラットフォームとなるべく、
一般社団法人 災害支援機構を設立。代表理事に就任。

■2016年12月、浄土真宗本願寺派にて得度し、僧侶となる。法名「釋 一心」を拝受し、
善教寺衆徒に。

■2017年6月、浄土真宗本願寺派・教師資格取得。

■2017年10月、善教寺・第十四世住職に就任。


■国土交通省公認・飛行教官資格、及び事業用操縦士資格、特定操縦技能審査員資格保有。
(いすれもヘリコプター)。

■危機管理のエキスパート「佐々淳行」に師事し、危機管理を徹底的に学ぶ。その教えを広く民間に伝道
するため、各地にてリーダーシップや危機管理講座等様々な講演活動を行っている。

■現在は名古屋空港の航空会社にてパイロット養成の教育を行いながら、ハイジャック対策、テロ対策の
責任者も担当している。

主な著書
「プライベートパイロット・ベーシック・コース」
「当たり前」
「航空法マスター」
「ヘリコプター工学マスター」
「航空気象マスター」
「折れないハート」
「世界で一番わかりやすい航空気象」
「世界で一番わかりやすいヘリコプター工学」 ほか


趣味・特技
愛犬ティム(ゴールデンレトリーバー)との散歩
クレー射撃(わりと下手)
日曜大工
極真空手初段(最近稽古してません)

苦手なこと
カラオケで一番に歌うこと(下手なので)
絵を描くこと(絵心なし)
船やジェットコースターに乗ること(すぐに酔います)
 
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